Nature ハイライト
古人類学:人類のヨーロッパへの移動は古くて複雑だった
Nature 571, 7766
1978年にギリシャのアピディマ洞窟で発見された2点のヒト頭蓋化石「アピディマ1」と「アピディマ2」が、今回K Harvatiたちによって、年代の再測定を含め、再度調べられた。アピディマ2は、年代が17万年以上前でネアンデルタール人に最も似ていたのに対し、アピディマ1は、年代が21万年以上前で形態は初期のホモ・サピエンス(Homo sapiens)のものに似ていることが分かった。これによってアピディマ1はヨーロッパで発見された最古の現生人類となり、ヨーロッパへの人類の移動が、古いネアンデルタール人から新しい現生人類への単純な入れ替わりではなく、より複雑なものであったことが示された。
2019年7月25日号の Nature ハイライト
古人類学:人類のヨーロッパへの移動は古くて複雑だった
発生生物学:哺乳類の発生を横断する遺伝子発現
発生生物学:哺乳類の発生におけるlncRNA
生物物理学:ミトコンドリアのADP/ATP交換輸送体は脱共役タンパク質である
分子生物学:複製フォーク保護の新たな役割
量子物理学:エネルギー分解能を上げる
物性物理学:超伝導体における不均一な超流体の画像化
化学:前生物的ペプチドの妥当な合成経路
気候変動:中世の気候異常と小氷期が時空間的に一貫していたことを示す証拠はほとんどない
生体力学:捕食性の原生生物が生み出す波の連鎖
神経変性:パーキンソン病誘発についての示唆に富む証拠