Nature ハイライト
Cover Story:量子超越性:量子チップが初めて古典的なスーパーコンピューターの性能を超えた
Nature 574, 7779
今回J Martinisたちは、量子コンピューティングにおける重要な一歩について報告している。プログラム可能な量子コンピューターが、世界一強力な従来型プロセッサーより性能が優れていること、すなわち量子超越性と呼ばれる状況が、初めて実験的に実証されたのである。著者たちは、機能的な53個の量子ビット(キュービット)でできた量子プロセッサーを使って、乱数を生成する量子回路の出力のサンプリング(量子回路のキュービットの数が多くなればなるほど要求が厳しくなるタスク)を伴うタスクに取り組んだ。この量子プロセッサーは、Sycamoreと呼ばれ、約200秒で量子回路から100万個のサンプルを集めることができる。これを最先端のスーパーコンピューターで実行すると、約1万年かかると思われる。表紙は、Sycamoreチップの想像図。
2019年10月24日号の Nature ハイライト
天体物理学:GW170817のデブリに見つかったストロンチウム
光物理学:トポロジカル光共振器
ナノスケール材料:反芳香族壁に囲まれたナノケージ
がんゲノミクス:正常大腸細胞における変異の全体像
遺伝学:正常肝臓と硬変した肝臓における変異の全体像
神経科学:微生物相は学習に影響を及ぼし得る
幹細胞:老齢期に生じる個体差の駆動要因
神経科学:ショウジョウバエでは1対のグルコース感知ニューロンが全身グルコースレベルのマスター調節因子である
免疫学:VISTAはPSGL-1の酸性pH選択的リガンドである
エピジェネティクス:新規なヒストン修飾
構造生物学:コハク酸受容体の構成とアンタゴニスト選択性についての構造学的知見