Nature ハイライト
ナノスケール材料:反芳香族壁に囲まれたナノケージ
Nature 574, 7779
ナノケージは、さまざまな用途においてゲスト化学分子の汎用的なホストとして用いることができる。そうしたケージは、金属–配位子結合などの相互作用を通して構成要素から組み立てられることが多い。ナノケージの「パネル(壁)」は、形状を維持するために剛直である必要があり、芳香族ユニットから形成されることが多い。今回J Nitschkeたちは、反芳香族のパネルと金属イオンの「ノード」から組み立てた新たなナノケージについて報告している。芳香族パネルと比較して反芳香族パネルの合成が難しいことはさておき、反芳香族パネルを配置することで、ホスト–ゲスト化学に使用できる可能性がある特異な特性を中央のナノ空間が持つようになる。このことは、ナノケージに封入された多環芳香族炭化水素ゲストの核磁気共鳴シグナルが低磁場方向に極端にシフト(約24 ppm)したことによって例示されている。
2019年10月24日号の Nature ハイライト
天体物理学:GW170817のデブリに見つかったストロンチウム
光物理学:トポロジカル光共振器
ナノスケール材料:反芳香族壁に囲まれたナノケージ
がんゲノミクス:正常大腸細胞における変異の全体像
遺伝学:正常肝臓と硬変した肝臓における変異の全体像
神経科学:微生物相は学習に影響を及ぼし得る
幹細胞:老齢期に生じる個体差の駆動要因
神経科学:ショウジョウバエでは1対のグルコース感知ニューロンが全身グルコースレベルのマスター調節因子である
免疫学:VISTAはPSGL-1の酸性pH選択的リガンドである
エピジェネティクス:新規なヒストン修飾
構造生物学:コハク酸受容体の構成とアンタゴニスト選択性についての構造学的知見