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神経科学:ショウジョウバエでは1対のグルコース感知ニューロンが全身グルコースレベルのマスター調節因子である

Nature 574, 7779

グルコース感知ニューロンは、ホルモン放出、代謝率、食物摂取、自発運動の変化を調整することにより、局所的なグルコースレベルの変動に応答する。しかし、これらのニューロンが全身の糖調節に関与する仕組みはほとんど分かっていない。Y Ohたちは今回、ショウジョウバエ(Drosophila)モデルを用い、その脳で、内部のグルコースレベルを監視し、グルコース恒常性に不可欠な2つのホルモンであるインスリンとグルカゴンのハエでの同等物の放出を直接調節する、1対のグルコース感知ニューロンを特定した。このニューロン対の機能不全により、ヒトの2型糖尿病の特徴である高血糖が引き起こされることから、このようなニューロンによるインスリンとグルカゴンの分泌の協調的調節がハエの適切なグルコース恒常性に不可欠であると考えられる。

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