Nature ハイライト

がんゲノミクス:正常大腸細胞における変異の全体像

Nature 574, 7779

M Strattonたちは今回、大腸がん発生の最初期を理解するために、42人の被験者(15人の大腸がん患者と、大腸疾患の徴候のない27人)から2035の大腸陰窩を採取し、個々の陰窩の正常な大腸上皮細胞の塩基配列解読を行った。彼らはまた、追加の陰窩で、90個の既知の大腸がん遺伝子の塩基配列を解読した。その結果、複数の変異過程のシグネチャーが見つかり、それらの中には広範囲に見られるものもある一方で、一部の被験者や陰窩、そして一生のうちの特定の時期に特異的なものもあることが分かった。著者たちは、ドライバーと思われる変異が、およそ50〜60歳の被験者の約1%の大腸陰窩に存在していたと見積もっている。大腸がんゲノムの全体像と比較したところ、大腸がんのゲノムでは変異負荷が平均的に高いが、散発的あるいは普遍的な変異過程の負荷には違いが見られなかった。

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