Nature ハイライト
エピジェネティクス:新規なヒストン修飾
Nature 574, 7779
乳酸は、ワールブルク効果が見られる際に生じる化合物で、エネルギー供給源であり、代謝の副産物でもある。今回Y Zhaoたちは、哺乳類細胞でヒストンのリシン残基がラクチル化されることを明らかにした。この修飾は、低酸素状態や細菌への曝露によって促進される。M1マクロファージの極性化の際には細胞内乳酸が増加し、ヒストンのラクチル化レベルの上昇と恒常性に関わる遺伝子の誘導が起こる。ヒストンのラクチル化について今後さらに研究が進めば、乳酸産生が関わっているさまざまな細胞過程や病気に関する理解を深めるのに役立つだろう。
2019年10月24日号の Nature ハイライト
天体物理学:GW170817のデブリに見つかったストロンチウム
光物理学:トポロジカル光共振器
ナノスケール材料:反芳香族壁に囲まれたナノケージ
がんゲノミクス:正常大腸細胞における変異の全体像
遺伝学:正常肝臓と硬変した肝臓における変異の全体像
神経科学:微生物相は学習に影響を及ぼし得る
幹細胞:老齢期に生じる個体差の駆動要因
神経科学:ショウジョウバエでは1対のグルコース感知ニューロンが全身グルコースレベルのマスター調節因子である
免疫学:VISTAはPSGL-1の酸性pH選択的リガンドである
エピジェネティクス:新規なヒストン修飾
構造生物学:コハク酸受容体の構成とアンタゴニスト選択性についての構造学的知見