Nature ハイライト
遺伝学:正常肝臓と硬変した肝臓における変異の全体像
Nature 574, 7779
P Campbellたちは今回、5人の健康な人と9人の肝硬変患者を含む14人に由来する、マイクロダイセクション法によって得た100〜500個の肝細胞からなる482個の試料のゲノム塩基配列解読を行った。その結果、硬変した肝臓では、変異負荷が高く、複雑な構造的多様性が見られるとともに、患者間や患者内でも多様性が大きいことが分かった。肝硬変のゲノムの全体像を肝細胞がん(HCC)と比較して調べたところ、非悪性肝臓細胞ではドライバー変異負荷が低い(約1〜5%)ことが分かった。さらに、正常な肝細胞における変異の約75%、硬変した肝細胞における変異の50〜75%を占める、主要な肝細胞シグネチャーが特定されるとともに、HCCでより活性の高いシグネチャーも明らかになった。
2019年10月24日号の Nature ハイライト
天体物理学:GW170817のデブリに見つかったストロンチウム
光物理学:トポロジカル光共振器
ナノスケール材料:反芳香族壁に囲まれたナノケージ
がんゲノミクス:正常大腸細胞における変異の全体像
遺伝学:正常肝臓と硬変した肝臓における変異の全体像
神経科学:微生物相は学習に影響を及ぼし得る
幹細胞:老齢期に生じる個体差の駆動要因
神経科学:ショウジョウバエでは1対のグルコース感知ニューロンが全身グルコースレベルのマスター調節因子である
免疫学:VISTAはPSGL-1の酸性pH選択的リガンドである
エピジェネティクス:新規なヒストン修飾
構造生物学:コハク酸受容体の構成とアンタゴニスト選択性についての構造学的知見