Nature ハイライト
免疫学:VISTAはPSGL-1の酸性pH選択的リガンドである
Nature 574, 7779
VISTAは抑制性免疫受容体であり、腫瘍内の骨髄系細胞上での発現は予後と負に関連し、免疫療法への抵抗性に関与する可能性がある。R Johnstonたちは今回、VISTAに対するT細胞上の生理的なカウンター受容体としてPSGL-1を特定し、その相互作用がpHに依存することを明らかにしている。VISTA/PSGL-1経路の阻害は、MC38マウスモデルにおいてPD-1阻害との相乗的な抗腫瘍効果を持つことが分かり、がんを介した免疫寛容にこの経路が関与することを支持している。機能的なVISTAリガンドが特定されたことで、この経路を標的とする治療法への道が開かれ、今回明らかにされたVISTA/PSGL1のpH依存性は、酸性の腫瘍微小環境における免疫応答とチェックポイント阻害剤の設計に対して新たな考察を加えている。
2019年10月24日号の Nature ハイライト
天体物理学:GW170817のデブリに見つかったストロンチウム
光物理学:トポロジカル光共振器
ナノスケール材料:反芳香族壁に囲まれたナノケージ
がんゲノミクス:正常大腸細胞における変異の全体像
遺伝学:正常肝臓と硬変した肝臓における変異の全体像
神経科学:微生物相は学習に影響を及ぼし得る
幹細胞:老齢期に生じる個体差の駆動要因
神経科学:ショウジョウバエでは1対のグルコース感知ニューロンが全身グルコースレベルのマスター調節因子である
免疫学:VISTAはPSGL-1の酸性pH選択的リガンドである
エピジェネティクス:新規なヒストン修飾
構造生物学:コハク酸受容体の構成とアンタゴニスト選択性についての構造学的知見