Nature ハイライト

免疫学:VISTAはPSGL-1の酸性pH選択的リガンドである

Nature 574, 7779

VISTAは抑制性免疫受容体であり、腫瘍内の骨髄系細胞上での発現は予後と負に関連し、免疫療法への抵抗性に関与する可能性がある。R Johnstonたちは今回、VISTAに対するT細胞上の生理的なカウンター受容体としてPSGL-1を特定し、その相互作用がpHに依存することを明らかにしている。VISTA/PSGL-1経路の阻害は、MC38マウスモデルにおいてPD-1阻害との相乗的な抗腫瘍効果を持つことが分かり、がんを介した免疫寛容にこの経路が関与することを支持している。機能的なVISTAリガンドが特定されたことで、この経路を標的とする治療法への道が開かれ、今回明らかにされたVISTA/PSGL1のpH依存性は、酸性の腫瘍微小環境における免疫応答とチェックポイント阻害剤の設計に対して新たな考察を加えている。

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