Nature ハイライト
Cover Story:太古の宝飾品:ヨーロッパで最初期の現生人類の証拠となるペンダントとヒトの遺骸
Nature 581, 7808
表紙は、ブルガリアのバチョキロ洞窟における発掘調査で出土した、推定年代が4万6000〜4万3000年前のペンダントである。この宝飾品は、ホラアナグマの歯でできている。今回J Hublinたちは、この洞窟で発掘された人工物とヒト族の遺骸について報告している。1本の歯を含むこれらの遺骸は、ヨーロッパでこれまでに発見された中で最初期の現生人類のものであり、宝飾品のデザインから、ユーラシア大陸を西へ広がったホモ・サピエンス(Homo sapiens)とその地にいたネアンデルタール人の間に文化交流があったことを示すさらなる証拠が得られた。これらの遺骸のDNA分析と放射性炭素年代測定の結果は、現生人類が4万5000年前以前にユーラシア大陸の中緯度域に到達していたことを示唆している。
2020年5月21日号の Nature ハイライト
天文学:ビッグバンから15億年後に形成された円盤銀河
量子物理学:用途の広い分子
応用物理学:半球形の網膜を持つ生体模倣眼球
材料科学:秩序によって強くなる
化学:重水素を所定の位置に配置する
生物工学:ヒトの全身の単一細胞地図
医学研究:肥満におけるスタチンと微生物相
免疫学:アダプタータンパク質TASLはSLC15A4を介してエンドソームのToll様受容体をIRF5に結び付ける
構造生物学:DGAT1の機能についての構造的手掛かり
構造生物学:ACAT1の構造と機能の特徴