Nature ハイライト
生物工学:ヒトの全身の単一細胞地図
Nature 581, 7808
近年の単一細胞RNA塩基配列解読技術の発展によって、組織内での遺伝子発現を単一細胞分解能で研究する道が開かれた。こうした研究は、主にマウスの組織に対して行われ、組織の発生や機能の複雑性について優れた知見をもたらしてきた。最近では、それらの知見をヒトに置き換える取り組みが進められている。G Guoたちは今回、胎児と成人の両方の組織試料に基づく、ヒトの全ての主要器官を網羅した単一細胞RNA塩基配列解読データセットを提供している。彼らはこのデータセットを用いて、ヒトの体の細胞不均一性を明らかにし、マウスで作製された類似のデータセットとの比較を行った。今回の研究は、器官間の細胞タイプについて他に類を見ない比較解析を可能にするとともに、さまざまな分野の研究において有用な情報資源となるだろう。
2020年5月21日号の Nature ハイライト
天文学:ビッグバンから15億年後に形成された円盤銀河
量子物理学:用途の広い分子
応用物理学:半球形の網膜を持つ生体模倣眼球
材料科学:秩序によって強くなる
化学:重水素を所定の位置に配置する
生物工学:ヒトの全身の単一細胞地図
医学研究:肥満におけるスタチンと微生物相
免疫学:アダプタータンパク質TASLはSLC15A4を介してエンドソームのToll様受容体をIRF5に結び付ける
構造生物学:DGAT1の機能についての構造的手掛かり
構造生物学:ACAT1の構造と機能の特徴