Nature ハイライト
化学:重水素を所定の位置に配置する
Nature 581, 7808
有機分子や薬剤分子への重水素の導入はさまざまな応用に有用であり、最近、最初の重水素含有薬剤が米国食品医薬品局(FDA)によって承認された。しかし、重水素の導入位置の制御は必ずしも容易ではない。今回W Harmanたちは、ベンゼンと結合して環のあらゆる位置への選択的重水素導入を容易にするタングステン錯体を用いて、さまざまな重水素化シクロヘキセンを合成したことを報告している。彼らは、構成要素として用いることができる、重水素化度の異なるシクロヘキセンの立体同位体異性体を全部で52種報告し、置換ベンゼンについても同様に反応がうまく進むことを示している。
2020年5月21日号の Nature ハイライト
天文学:ビッグバンから15億年後に形成された円盤銀河
量子物理学:用途の広い分子
応用物理学:半球形の網膜を持つ生体模倣眼球
材料科学:秩序によって強くなる
化学:重水素を所定の位置に配置する
生物工学:ヒトの全身の単一細胞地図
医学研究:肥満におけるスタチンと微生物相
免疫学:アダプタータンパク質TASLはSLC15A4を介してエンドソームのToll様受容体をIRF5に結び付ける
構造生物学:DGAT1の機能についての構造的手掛かり
構造生物学:ACAT1の構造と機能の特徴