Nature ハイライト
構造生物学:ACAT1の構造と機能の特徴
Nature 581, 7808
アシルCoA:コレステロールO-アシルトランスフェラーゼ1(ACAT1)は膜結合型O-アシル基転移酵素(MBOAT)ファミリーに属する酵素である。ヒトでは、このファミリーに10種類を超える酵素が含まれていて、タンパク質か脂質のどちらかのアシル化を触媒している。しかし、MBOATファミリーの酵素でこれまでに3D構造が報告されているのは、細菌の酵素DltB 1つだけである。ACATは四量体酵素で、アシルCoAからコレステロールへのアシル基転移を触媒し、コレステリルエステルを生成させる。コレステリルエステルは、コレステロールが細胞内で貯蔵されたり、血漿中で輸送されたりする際の主な形態である。X Liたちの研究グループは今回、阻害剤であるnevanimibeと複合体を形成したACAT1四量体の構造と触媒活性について報告している。またN Yanたちは、ヒトACAT1二量体のクライオ電子顕微鏡によって得られた構造と機能的特徴について論じている。
2020年5月21日号の Nature ハイライト
天文学:ビッグバンから15億年後に形成された円盤銀河
量子物理学:用途の広い分子
応用物理学:半球形の網膜を持つ生体模倣眼球
材料科学:秩序によって強くなる
化学:重水素を所定の位置に配置する
生物工学:ヒトの全身の単一細胞地図
医学研究:肥満におけるスタチンと微生物相
免疫学:アダプタータンパク質TASLはSLC15A4を介してエンドソームのToll様受容体をIRF5に結び付ける
構造生物学:DGAT1の機能についての構造的手掛かり
構造生物学:ACAT1の構造と機能の特徴