Nature ハイライト
医学研究:肥満におけるスタチンと微生物相
Nature 581, 7808
最近の研究で、抗生物質ではない薬剤が腸内微生物相構成に大きな影響を与え得ることが示された。J Raesたちは今回、ヒト被験者の横断的解析を行い、肥満の被験者では、Bact2エンテロタイプとして知られるディスバイオーシスを引き起こす腸内微生物相構成が高い割合で見られることを見いだしている。意外にも、スタチン系薬剤を服用している被験者では、このBact2エンテロタイプの割合が低いことも分かった。これらのデータは興味深く好奇心をそそられるが、スタチンが、微生物相に対するそうした作用の直接の原因であるかどうかは不明である。著者たちは、前向き臨床試験によって、スタチン系薬剤が肥満において腸内微生物相の調整にどのような役割を持ち得るかを明らかにする必要があると考えている。
2020年5月21日号の Nature ハイライト
天文学:ビッグバンから15億年後に形成された円盤銀河
量子物理学:用途の広い分子
応用物理学:半球形の網膜を持つ生体模倣眼球
材料科学:秩序によって強くなる
化学:重水素を所定の位置に配置する
生物工学:ヒトの全身の単一細胞地図
医学研究:肥満におけるスタチンと微生物相
免疫学:アダプタータンパク質TASLはSLC15A4を介してエンドソームのToll様受容体をIRF5に結び付ける
構造生物学:DGAT1の機能についての構造的手掛かり
構造生物学:ACAT1の構造と機能の特徴