Nature ハイライト
進化学:ダイアウルフとハイイロオオカミの間に遺伝子流動はなかった
Nature 591, 7848
ダイアウルフ(Canis dirus)は、その高い形態的類似性からハイイロオオカミ(Canis lupus)の姉妹種と考えられているが、全く別の系統を形成している可能性があると示唆する仮説も存在する。今回L Frantzたちは、1万2900年前から5万年以上前にさかのぼるダイアウルフの半化石骨標本5点から抽出されたDNAの塩基配列を解読し、現生のイヌ科動物種と共に系統発生解析を行った。その結果、3つの主要な系統(ダイアウルフ、アフリカのジャッカル類、解析した他の全ての現生のオオカミ様イヌ科動物を含むクレード)が単系統であることが明らかになり、ダイアウルフとオオカミ様イヌ科動物との最終共通祖先の年代は約570万年前と推定された。
2021年3月4日号の Nature ハイライト
量子情報:フォトニック量子コンピューティング向けのプログラマブル・ナノフォトニックチップ
光物理学:モアレポラリトン
地球科学:粒界での応力誘起アモルファス化が引き金となるマントル変形
進化学:ダイアウルフとハイイロオオカミの間に遺伝子流動はなかった
遺伝学:COVID-19の重篤疾患に関連する遺伝的座位
神経科学:脳空間を再構築する
コロナウイルス:COVID-19重症患者では単球のISG群誘導が障害されている
生化学:溶解性細胞死におけるNINJ1の役割
生物物理学:相分離した細胞内液体のオートファジー
生化学:細胞内でタンパク質の反応速度論的性質を測定する
構造生物学:明らかになったクエン酸輸送機構