Nature ハイライト

生化学:細胞内でタンパク質の反応速度論的性質を測定する

Nature 591, 7848

RNAとタンパク質の間の相互作用は、細胞内で基本的な役割を担っている。しかし、このような相互作用の反応速度論的性質を細胞内で測定するのは、これまで難しかった。E Jankowskyたちは今回、KIN-CLIP(kinetic cross-linking and immunoprecipitation)法と命名した技術を開発し、この方法を使ってRNA結合タンパク質(RBP)の1つであるDAZLについて、数千以上もあるその結合部位への結合と解離の速度論的性質を細胞内で定量的に測定できることを示している。結合部位の大部分は空いているが、結合は結合部位がクラスター状に集合している所で起こりやすいことが分かった。また、結合部位のクラスターへの結合のレベルが、DAZLの機能的効果と相関することも分かった。この方法を使えば、RNAへのタンパク質の結合が細胞過程にどのように影響するのかについて、もっと詳しい知見が得られる可能性がある。

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