Nature ハイライト
統計力学:アクティブマターにおける非相反性の重要性
Nature 592, 7854
非相反性は、平衡から外れた系に共通した特徴であり、大まかには、時間の向きを逆にすると系が異なる振る舞いをすることを意味する。エネルギーを消費する、従って平衡から外れる「エージェント」の集団であるアクティブマターにおいては、非相反性は、系の個々の要素同士の相互作用に現れることがある。今回M Fruchartたちは、こうしたエージェントの集団的挙動の制御に非相反性がいかに重要かを調べ、非相反性の程度とその固有の「ノイジネス(noisiness)」の関数としてアクティブマター系の相挙動をマッピングしている。得られた枠組みは、物理系、生物系、計算系といったさまざまな系の挙動の理解に役立つはずである。
2021年4月15日号の Nature ハイライト
統計力学:アクティブマターにおける非相反性の重要性
材料科学:トポロジーを変えるポリマーネットワークのファスナー
火山学:カルデラ崩壊のモデル化
環境科学:生物多様性と食料と炭素のための海洋保護
進化学:ヒトとチンパンジーのハイブリッド細胞を用いて大脳皮質の進化を探る
幹細胞:ストレスは毛包幹細胞ニッチを介して発毛を阻害する
植物科学:受精を確実に成功させる
コロナウイルス:南アフリカでのSARS-CoV-2変異株のゲノム疫学
免疫学:NASH誘発性肝細胞がんにおけるCD8 T細胞の腫瘍を促進する役割
構造生物学:セロトニンのさまざまな作用の調節機構