Nature ハイライト
免疫学:NASH誘発性肝細胞がんにおけるCD8 T細胞の腫瘍を促進する役割
Nature 592, 7854
非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)は、高カロリー摂取および/または座りがちな生活様式によって引き起こされ、肝臓がんの重要な駆動要因になっている。M Heikenwalderたちは今回、NASHによって引き起こされる肝細胞がん(HCC)について、PD1を標的とする免疫療法という状況において調べた。彼らは、NASH誘発性HCCのマウスモデルに加えて、NASH関連HCC患者のデータを用いて、CD8+PD1+ T細胞がNASHの進行を促進すること、また、チェックポイント阻害剤による治療がこれらのNASH促進細胞のブレーキを解除し、その結果、NASHが増悪してHCCの発生が増える可能性があることを示唆している。このデータは、免疫療法を一次治療または補助療法として行う臨床試験において、背景にある肝病変によってHCC患者を層別化するための理論的根拠を示している。
2021年4月15日号の Nature ハイライト
統計力学:アクティブマターにおける非相反性の重要性
材料科学:トポロジーを変えるポリマーネットワークのファスナー
火山学:カルデラ崩壊のモデル化
環境科学:生物多様性と食料と炭素のための海洋保護
進化学:ヒトとチンパンジーのハイブリッド細胞を用いて大脳皮質の進化を探る
幹細胞:ストレスは毛包幹細胞ニッチを介して発毛を阻害する
植物科学:受精を確実に成功させる
コロナウイルス:南アフリカでのSARS-CoV-2変異株のゲノム疫学
免疫学:NASH誘発性肝細胞がんにおけるCD8 T細胞の腫瘍を促進する役割
構造生物学:セロトニンのさまざまな作用の調節機構