Nature ハイライト
植物科学:受精を確実に成功させる
Nature 592, 7854
顕花植物では、受精の際に花粉管によって2個の精細胞が胚珠まで届けられる。そこで、動物での受精と同様に、受精後にはそれ以上の配偶子融合が起こらないよう防ぐことが重要である。では植物の卵細胞は、受精に成功した後、どのようにしてそれ以上の花粉管を拒絶するのだろうか。今回T Dresselhausたちは、ひとたび受精に成功したシロイヌナズナ(Arabidopsis)の卵細胞が、細胞外間隙に2種類の酵素エンドペプチダーゼECS1、ECS2を分泌することを報告している。これらの酵素が花粉管誘引物質LURE1を特異的に分解し、花粉管の多重誘引という望ましくない現象を防ぐ。
2021年4月15日号の Nature ハイライト
統計力学:アクティブマターにおける非相反性の重要性
材料科学:トポロジーを変えるポリマーネットワークのファスナー
火山学:カルデラ崩壊のモデル化
環境科学:生物多様性と食料と炭素のための海洋保護
進化学:ヒトとチンパンジーのハイブリッド細胞を用いて大脳皮質の進化を探る
幹細胞:ストレスは毛包幹細胞ニッチを介して発毛を阻害する
植物科学:受精を確実に成功させる
コロナウイルス:南アフリカでのSARS-CoV-2変異株のゲノム疫学
免疫学:NASH誘発性肝細胞がんにおけるCD8 T細胞の腫瘍を促進する役割
構造生物学:セロトニンのさまざまな作用の調節機構