Nature ハイライト
材料科学:トポロジーを変えるポリマーネットワークのファスナー
Nature 592, 7854
今回J Aizenbergたちは、再構成可能な構造材料の新しい設計概念を報告している。彼らは、トポロジーを再構成できる、ポリマーでできた二次元セル状構造を提示している。規則的なネットワーク構造を液体にさらした後にこの液体を蒸発させると、この構造は、液体によって柔らかくなった格子の縁同士が「ファスナーを閉じる」ように接合して、新たなトポロジーになる。この過程は、異なる液体にさらして毛管作用を調節することによって元に戻すことができ、時間的な制御が可能になる。著者たちは、この方法で、6本のスポークからなる三角形アレイから3本のスポークからなる六角形格子へ切り替えられること、また、ノード周りの角度を変化させることによって、例えば、共に4ノードのアレイである円から正方形へ切り替えられることを実証した。さらに、こうした動的トポロジーを、例えば、機械的特性、化学的特性、音響特性の制御といった実用に利用できる可能性があることも示している。
2021年4月15日号の Nature ハイライト
統計力学:アクティブマターにおける非相反性の重要性
材料科学:トポロジーを変えるポリマーネットワークのファスナー
火山学:カルデラ崩壊のモデル化
環境科学:生物多様性と食料と炭素のための海洋保護
進化学:ヒトとチンパンジーのハイブリッド細胞を用いて大脳皮質の進化を探る
幹細胞:ストレスは毛包幹細胞ニッチを介して発毛を阻害する
植物科学:受精を確実に成功させる
コロナウイルス:南アフリカでのSARS-CoV-2変異株のゲノム疫学
免疫学:NASH誘発性肝細胞がんにおけるCD8 T細胞の腫瘍を促進する役割
構造生物学:セロトニンのさまざまな作用の調節機構