Nature ハイライト
構造生物学:血液脳関門を維持する
Nature 595, 7866
ドコサヘキサエン酸(DHA)はオメガ3脂肪酸の1つで、脳や皮膚、網膜の重要な構造構成要素である。DHAは、リゾホスファチジルコリンとのリン脂質複合体として輸送体MFSD2Aにより血液脳関門を横切って輸送される。MFSD2Aは、それ自体が血液脳関門の発達と機能を調節する因子である。今回F Manciaたちは、基質の1つと結合したMFSD2Aの構造を報告している。この構造は、輸送活性測定と分子動力学的シミュレーションと共に、DHAがナトリウムイオンに依存して血液脳関門を通過する分子レベルでの機構を明らかにしている。
2021年7月8日号の Nature ハイライト
量子物理学:物質を原子1個ずつ、最大で256個までシミュレートする
物性物理学:レーザーによって形成される二次元電子状態
持続可能性:サプライチェーンの多様性が都市の食料ショックを和らげる
地球科学:流体に富む海山の沈み込みの電磁気的撮像
幹細胞:高脂肪食は薄毛の原因となる
微生物学:宿主の飢餓が病原菌を増殖させる
免疫学:ラクダ科動物ナノボディのマウスモデル
コロナウイルス:COVID-19患者におけるSARS-CoV-2誘導性の自己抗体
医学研究:熱帯熱マラリア原虫に対する化学予防ワクチン接種
がん:免疫回避におけるクロマチンのサイレンシング
構造生物学:血液脳関門を維持する