Nature ハイライト
微生物学:微生物バイオフィルム内の持ちつ持たれつの関係
Nature 523, 7562
バイオフィルムの成長過程では、辺縁部の細胞は、内部の細胞を外部の攻撃から保護する一方で、栄養素を消費することにより内部の細胞を飢餓状態にさせる場合もある。今回G Süelたちは、こうした保護と飢餓の対立が、辺縁部細胞と内部細胞の間の長期的な代謝の共依存の出現によって解消されていることを見いだした。具体的には、枯草菌(Bacillus subtilis)のバイオフィルムでは成長が周期的に中断して、保護されている内部細胞の栄養素の利用可能性が増大し、次いで内部細胞から辺縁部細胞へと、成長に必要とされる代謝産物が供給されるのである。
2015年7月30日号の Nature ハイライト
地球化学:火山噴火と気候のつながりの再較正
微生物学:微生物バイオフィルム内の持ちつ持たれつの関係
構造生物学:VI型分泌系の構造
構造生物学:アレスチンのGPCRへの結合
量子物理学:バルク固体における高次高調波放射
高分子化学:高温誘電体としてのポリマーナノ複合材料
古生物学:カメの進化の複雑さ
幹細胞:幹細胞のバランスを維持する
植物育種:温暖化する世界のためのイネ品種
視覚障害:ラノステロールで白内障形成を妨げる