Nature ハイライト

量子物理学:バルク固体における高次高調波放射

Nature 523, 7562

バルク結晶中で高次高調波の発生を介して短波長放射を生成できることが実証され、数年前に初めて報告されたことで、固体の超高速フォトニクスに新しい分野が生まれた。現在、こうした現象に関与する基本的な機構が盛んに研究されている。今回M Hohenleutnerたちは、特にバルク結晶における高次高調波の生成を、時間分解測定法を用いて調べた。その結果、基礎となる電子の運動は、原子気体における高次高調波の生成機構とは異なっていて、複数の価電子帯の電子の量子干渉が関与していることが分かった。観測されたこの効果から、固体の超高速光源と光制御されたエレクトロニクスを開発する新しい方向が示唆される。

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