Nature ハイライト
量子物理学:バルク固体における高次高調波放射
Nature 523, 7562
バルク結晶中で高次高調波の発生を介して短波長放射を生成できることが実証され、数年前に初めて報告されたことで、固体の超高速フォトニクスに新しい分野が生まれた。現在、こうした現象に関与する基本的な機構が盛んに研究されている。今回M Hohenleutnerたちは、特にバルク結晶における高次高調波の生成を、時間分解測定法を用いて調べた。その結果、基礎となる電子の運動は、原子気体における高次高調波の生成機構とは異なっていて、複数の価電子帯の電子の量子干渉が関与していることが分かった。観測されたこの効果から、固体の超高速光源と光制御されたエレクトロニクスを開発する新しい方向が示唆される。
2015年7月30日号の Nature ハイライト
地球化学:火山噴火と気候のつながりの再較正
微生物学:微生物バイオフィルム内の持ちつ持たれつの関係
構造生物学:VI型分泌系の構造
構造生物学:アレスチンのGPCRへの結合
量子物理学:バルク固体における高次高調波放射
高分子化学:高温誘電体としてのポリマーナノ複合材料
古生物学:カメの進化の複雑さ
幹細胞:幹細胞のバランスを維持する
植物育種:温暖化する世界のためのイネ品種
視覚障害:ラノステロールで白内障形成を妨げる