Nature ハイライト

構造生物学:アレスチンのGPCRへの結合

Nature 523, 7562

Gタンパク質共役受容体(GPCR)として知られる、広範囲にわたって存在するシグナル伝達タンパク質は、主にGタンパク質あるいはアレスチン類を介してシグナル伝達を行っている。現在臨床で使われている薬剤の3分の1の標的はこの種のタンパク質である。今回、アレスチンと結合したGPCRの結晶構造が初めて報告された。活性化前状態のマウス視覚アレスチン1に結合した活性型ヒトロドプシンの構造が、X線結晶学、電子顕微鏡法、パルスEPR分光法と水素重水素交換質量分析法を使って明らかにされたのである。今回得られた構造と、Gタンパク質と結合したβ2ARや、GαCTと結合したロドプシンの構造との比較から、アレスチンを介するシグナル伝達のみを起こすための必須の要素となっている可能性がある独自の構造的特徴が明らかにされた。

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