Nature ハイライト

視覚障害:ラノステロールで白内障形成を妨げる

Nature 523, 7562

K Zhangたちは、先天性白内障が生じる2つの家系でこの疾病の遺伝的基盤の研究を行い、水晶体に本来的に存在するステロールの一種のラノステロールが、白内障の原因となるさまざまな変異型クリスタリンタンパク質の細胞内での凝集を防止できることを明らかにした。今回の遺伝学的研究で突き止められた変異は、ラノステロール合成を行う酵素であるラノステロールシンターゼの機能を損なうものである。白内障を自然発症するイヌにラノステロールを含む点眼薬を6週間投与すると、白内障の重症度が軽減し、水晶体の透明度が増したことから、ラノステロールや同様の活性を持つ分子が、白内障の治療法として、手術に代わる選択肢になる可能性が出てきた。

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