Nature ハイライト
高分子化学:高温誘電体としてのポリマーナノ複合材料
Nature 523, 7562
容量性エネルギー蓄積用の誘電体材料は、例えば電気自動車や航空宇宙応用で使われる場合、過酷な条件下で機能する必要がある。ポリマー誘電体は、軽いため出力重量比の観点から見ると魅力的だが、電力インバーターの一般的な動作温度で絶縁破壊する傾向があった。今回Q Wangたちは、ポリマーナノ複合材料に窒化ホウ素ナノシートを加えることで放熱特性が向上し、その結果これまでのポリマー誘電体材料が動作可能な温度よりもはるかに高い温度で機能する誘電体材料が得られることを実証している。こうした新しいナノ複合材料は、軽くて丈夫で柔軟な上、光パターニングが可能でスケーラブルなので、電子デバイス用として従来のセラミック誘電体よりも魅力的な材料となる可能性がある。
2015年7月30日号の Nature ハイライト
地球化学:火山噴火と気候のつながりの再較正
微生物学:微生物バイオフィルム内の持ちつ持たれつの関係
構造生物学:VI型分泌系の構造
構造生物学:アレスチンのGPCRへの結合
量子物理学:バルク固体における高次高調波放射
高分子化学:高温誘電体としてのポリマーナノ複合材料
古生物学:カメの進化の複雑さ
幹細胞:幹細胞のバランスを維持する
植物育種:温暖化する世界のためのイネ品種
視覚障害:ラノステロールで白内障形成を妨げる