Nature ハイライト
Cover Story:凍結した時間:海洋堆積物から得られた化石花粉によって南極最大の氷床の歴史が明らかに
Nature 552, 7684
表紙は、東南極の大陸棚で採取された堆積物コアから得られたよりすぐりの化石花粉である。今回S GulickとA Shevenellたちは、こうした太古の遺物を用いて、オーロラ氷底盆地が浸食されて生じた堆積物の年代を決定し、過去5500万年にわたる東南極氷床の変化を記録している。彼らの海洋地質記録は、700万年前以前の東南極氷床が動的に振る舞い、大量の表面融解水を特徴としており、現在のグリーンランド氷床とよく似ていたことを示している。こうした振る舞いは、気温と大気中CO2濃度が現在と同程度かより高いとき、つまり地球温暖化が続くと生じると予想される気候条件において生じた。
2017年12月14日号の Nature ハイライト
創薬:アルコール依存症治療薬のがんへの転用
構造生物学:TRPMチャネルの構造を見る
宇宙物理学:星成長をつかさどる磁気ゲート
生体エネルギー学:デンキウナギの電源を模倣する
材料科学:細胞の接着点に力を加える
地球科学:噴火様式の変化
発生生物学:細胞は多能性を止めて成長する
血管生物学:糖尿病性網膜症を救済する
免疫学:Runx3によるT細胞常在性の調節
加齢:Pol III阻害が寿命を延ばす