Nature ハイライト

構造生物学:TRPMチャネルの構造を見る

Nature 552, 7684

TRPM(melastatin-related transient receptor potential)イオンチャネルは、TRPスーパーファミリーの中で最大のグループであり、従って体中に広く存在していて、温熱感覚や味覚、イオンの恒常性の調節など、さまざまな生理学的役割を担っている。例えば、TRPM4はCa2+活性化型非選択性チャネルで、脳や心臓などの重要な器官の多くで発現されていて、心臓の拍動、呼吸のペース調整やインスリン分泌に関わっている。今回2つの研究グループが、クライオ(極低温)電子顕微鏡によって得られたTRPM4の構造を報告している。W Lüたちは、Ca2+とデカバナジン酸に結合したヒトTRPM4の構造を解き、傘に似た構造をとっていることを明らかにした。一方、Y JiangたちはマウスのTRPM4について、チャネル活性を阻害するATPと結合した状態と結合していない状態の構造を示した。これらの研究により、TRPMファミリーの構造に関する最初の手掛かりが得られた。

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