Nature ハイライト

地球科学:噴火様式の変化

Nature 552, 7684

カルクアルカリ流紋岩は最大の爆発的火山噴火を生むが、こうした噴火は、噴出性噴火と爆発性噴火との間で繰り返し切り替わることがある。こうした変化の原因が、マグマの含水量や結晶化度のレオロジー効果であるとすることは難しい。今回D Di Genovaたちは、イエローストーン流紋岩火山系の組成範囲にまたがる一連のメルトの粘性について報告している。彼らは、狭い組成範囲でメルトの粘性が最大2桁増大することを見いだしており、これがメルト構造の再構成の結果であると提案している。著者たちは、そうした組成上の転換点が、全球の流紋岩の地球化学的記録に存在し、そこで噴出性堆積物と爆発性堆積物が分かれていることを確かめている。彼らは、カルクアルカリ流紋岩の無水(水を含まない)組成は、地球最大の火山系の流動化ダイナミクスや噴火ダイナミクスを決定するのに重要であると結論している。

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