Nature ハイライト
Cover Story:マラリアの反撃:薬剤耐性が広がる前に東南アジアのマラリアを抑えるという競争
Nature 559, 7715
表紙は、カンボジアのシエンパンにあるマラリア研究プロジェクトの施設で、医療スタッフが若い男性を診察しているところである。南東アジアのいくつかの国々で、マラリアの最も標準的な治療法であるアルテミシニンベースの併用療法に対する耐性が憂慮すべき上昇を示しており、カンボジアもそうした国の1つである。この地域は世界のマラリア症例の7%を占めるにすぎないが、ここではマラリア原虫の薬剤耐性系統が繰り返し生まれており、そうした系統がその後世界の別の地域へと広がってきた。カンボジア、タイ、ベトナム、ラオス、ミャンマーでは現在、耐性を持つ系統がさらに大きく広がる前に、熱帯熱マラリア原虫(Plasmodium falciparum)を完全に根絶しようとする試みがなされている。研究者たちは、マラリア原虫の検出を改善するためのツールや薬剤耐性の発生を未然に防ぐ方法を開発することによって、その取り組みを助けている。(News Feature)
2018年7月26日号の Nature ハイライト
化学:ハイレート型リチウムイオン電池向けのニオブ・タングステン酸化物アノード
神経生物学:求愛行動に関わる神経回路
構造生物学:MCUの多様な構造
天文学:2つの星の物語
量子物理学:極低温原子からの物質波の自然放出
DNAナノテクノロジー:DNA折り紙をテンプレートにしてシリカ構造体を作る
古気候学:最終氷期極大期の開始時における氷床形成の詳細
考古学:約200万年前の中国にヒト族がいたことを示す証拠
微生物学:外膜と細胞壁、どちらが硬い?
医学研究:ヒスチジン代謝がメトトレキサートへの感受性を決定する
分子生物学:糖尿病とがんのリスクを結び付ける