Nature ハイライト
古気候学:最終氷期極大期の開始時における氷床形成の詳細
Nature 559, 7715
最終氷期極大期には、氷床は現在より広がっており、結果として、全球平均海水準は現在より100 m以上低かった。しかし、我々が有する最大氷河作用の記録は、未完全である。今回、横山祐典(東京大学ほか)たちは、グレートバリアリーフの大陸棚から得られたサンゴの記録と氷河性地殻均衡の調整のモデルを組み合わせて、125~130 mの低下という海水準の極小期の前に、海水準の約20 mの急激な低下とそれに続く約15 mの上昇があったことを示している。この知見は、ほぼ寒冷だった氷期における氷床の発達と海水準上昇の複雑な歴史を明らかにしている。
2018年7月26日号の Nature ハイライト
化学:ハイレート型リチウムイオン電池向けのニオブ・タングステン酸化物アノード
神経生物学:求愛行動に関わる神経回路
構造生物学:MCUの多様な構造
天文学:2つの星の物語
量子物理学:極低温原子からの物質波の自然放出
DNAナノテクノロジー:DNA折り紙をテンプレートにしてシリカ構造体を作る
古気候学:最終氷期極大期の開始時における氷床形成の詳細
考古学:約200万年前の中国にヒト族がいたことを示す証拠
微生物学:外膜と細胞壁、どちらが硬い?
医学研究:ヒスチジン代謝がメトトレキサートへの感受性を決定する
分子生物学:糖尿病とがんのリスクを結び付ける