Nature ハイライト
Cover Story:険しい展望:小惑星ベンヌの予想外に岩だらけの表面が提起するサンプルリターンへの課題
Nature 568, 7750
表紙は、NASAの探査機オシリス・レックス(OSIRIS-REx)が撮影した地球近傍小惑星ベンヌ(小惑星番号101955)の最初の画像である。このミッションは、ベンヌの表面からサンプルを集めることを最終的な目標にしているが、初めて得られたベンヌの姿は、それが予想していたより難しい課題であることを示唆している。今回D Laurettaたちは、ベンヌの特性の初期の観測結果を提示している。彼らは、ベンヌの全体の組成が、予想どおり水を含み揮発物質に富んでいるように思われることを見いだした。しかし、撮像結果からは、ベンヌの表面には予想よりずっと岩が多く、サンプルリターンミッションの安全な目標となり得る、5~20 m程度の広さで見かけ上危険のない領域はごくわずかであることが明らかになった。
2019年4月4日号の Nature ハイライト
微生物遺伝学:腸内細菌ゲノム中の小さな違いが表現型に大きな影響を及ぼす
量子物理学:フェルミオンが媒介する力
ナノスケール材料:二次元半導体とのファンデルワールス接触
量子力学:量子移動時間
分光法:近接場光学による原子レベルの分解能
生物多様性:キリマンジャロ山における生物多様性と生態系機能
神経科学:塩欲求のバランスを取る
神経科学:渇きは腸管からの液体オスモル濃度信号によって調節される
生態学:サンゴと広く共生しているアピコンプレクサは進化の過渡期にある
構造生物学:明らかになったアミノ酸輸送体LAT1の構造