Nature ハイライト
量子物理学:フェルミオンが媒介する力
Nature 568, 7750
粒子交換に基づく長距離相互作用や長距離相関から、高エネルギー物理学から物性物理学までさまざまな挙動が生じる。セシウム原子のボース・アインシュタイン凝縮体(BEC)がリチウム原子の縮退フェルミ気体中に埋め込まれると何が起こるのだろうか。今回B DeSalvoたちはこのシナリオを研究し、フェルミオンが媒介するボソン間の引力相互作用が存在することを見いだしている。重要なのは、この相互作用によってBECが不安定になることがあり、与えられた条件下では一連のボース・フェルミオンソリトンが形成されたことである。今回の研究によって、極低温気体において媒介相互作用が初めて観測されたことで、低温原子系との接触を超える相互作用の研究への新しい道が開かれる可能性がある。
2019年4月4日号の Nature ハイライト
微生物遺伝学:腸内細菌ゲノム中の小さな違いが表現型に大きな影響を及ぼす
量子物理学:フェルミオンが媒介する力
ナノスケール材料:二次元半導体とのファンデルワールス接触
量子力学:量子移動時間
分光法:近接場光学による原子レベルの分解能
生物多様性:キリマンジャロ山における生物多様性と生態系機能
神経科学:塩欲求のバランスを取る
神経科学:渇きは腸管からの液体オスモル濃度信号によって調節される
生態学:サンゴと広く共生しているアピコンプレクサは進化の過渡期にある
構造生物学:明らかになったアミノ酸輸送体LAT1の構造