Nature ハイライト

神経科学:老化した脳では炎症が幹細胞機能に影響を及ぼす

Nature 571, 7764

哺乳類の脳の神経発生領域には、活性化に応答して新しいニューロンを作り出すことのできる幹細胞が含まれている。ニューロンの新生能は加齢に伴って低下するが、その理由は分かっていない。A Brunetたちは今回、若齢マウスと老齢マウスの神経発生ニッチについて単一細胞RNA塩基配列解読を行い、老化したニッチではT細胞が増加していることを明らかにしている。これらのT細胞は血液中に存在するT細胞とは異なり、インターフェロンγを発現していて、これが老化した神経幹細胞における炎症性シグナル伝達応答の増大と相関する。これらの知見は、加齢に伴う脳の障害を防ぐための有望な将来の道を開くものである。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度