Nature ハイライト
神経科学:老化した脳では炎症が幹細胞機能に影響を及ぼす
Nature 571, 7764
哺乳類の脳の神経発生領域には、活性化に応答して新しいニューロンを作り出すことのできる幹細胞が含まれている。ニューロンの新生能は加齢に伴って低下するが、その理由は分かっていない。A Brunetたちは今回、若齢マウスと老齢マウスの神経発生ニッチについて単一細胞RNA塩基配列解読を行い、老化したニッチではT細胞が増加していることを明らかにしている。これらのT細胞は血液中に存在するT細胞とは異なり、インターフェロンγを発現していて、これが老化した神経幹細胞における炎症性シグナル伝達応答の増大と相関する。これらの知見は、加齢に伴う脳の障害を防ぐための有望な将来の道を開くものである。
2019年7月11日号の Nature ハイライト
神経科学:老化した脳では炎症が幹細胞機能に影響を及ぼす
免疫学:CD8 T細胞疲弊の調節
遺伝子工学:免疫過程に助けられてジャンプする遺伝子
惑星科学:非効率的だった月の集積
量子物理学:単一の核スピンの検出
物性物理学:磁気単極子の動きを検出する
エネルギー科学:プレーナー型ペロブスカイト太陽電池の安定性の向上
生化学:タンパク質–無機ハイブリッド材料
生体力学:足の胼胝が歩行に役立つ理由
細胞生物学:Smoothenedを介するシグナル伝達