Nature ハイライト
遺伝子工学:免疫過程に助けられてジャンプする遺伝子
Nature 571, 7764
細菌のCRISPR–Cas系の主な機能は、外来性の核酸を認識して分解することである。そのため、この系は進化史の早い時期に生じた免疫過程の1つと見なされてきた。S Sternbergたちは今回、この系が可動性DNA因子の組み込みも仲介できることを明らかにしている。コレラ菌(Vibrio cholerae)のTn7様トランスポゾンを大腸菌(Escherichia coli)ゲノムへ組み込むには、RNA誘導型CRISPR Cascade複合体とTn7様トランスポゾンにコードされるTniQタンパク質が必要であることが分かった。これらの知見からすると、ガイドRNAに支援されたターゲッティングを用いて、標的DNAに二本鎖切断箇所を作らずにゲノムを操作するための方法はもっとたくさんあると考えられる。
2019年7月11日号の Nature ハイライト
神経科学:老化した脳では炎症が幹細胞機能に影響を及ぼす
免疫学:CD8 T細胞疲弊の調節
遺伝子工学:免疫過程に助けられてジャンプする遺伝子
惑星科学:非効率的だった月の集積
量子物理学:単一の核スピンの検出
物性物理学:磁気単極子の動きを検出する
エネルギー科学:プレーナー型ペロブスカイト太陽電池の安定性の向上
生化学:タンパク質–無機ハイブリッド材料
生体力学:足の胼胝が歩行に役立つ理由
細胞生物学:Smoothenedを介するシグナル伝達