Nature ハイライト
免疫学:CD8 T細胞疲弊の調節
Nature 571, 7764
T細胞疲弊は、多くの慢性感染やがんにおいて生じるT細胞の機能不全状態である。T細胞疲弊は、限定されたエフェクター機能、抑制性受容体の持続的な発現、機能的なエフェクターT細胞や記憶T細胞とは異なる転写状態によって特徴付けられる。今回E Wherryたち、A Schietingerたち、D Zehnたちの3つの研究グループが、異なる慢性ウイルス感染やがんのマウスモデルを用いて、HMGボックス転写因子TOXが疲弊T細胞の非常に重要な調節因子であることを明らかにしている。TOX調節の根底をなす機構やTOXの作用機序について得られた知見は、免疫療法の新たな戦略を開発するための基盤となる可能性がある。
2019年7月11日号の Nature ハイライト
神経科学:老化した脳では炎症が幹細胞機能に影響を及ぼす
免疫学:CD8 T細胞疲弊の調節
遺伝子工学:免疫過程に助けられてジャンプする遺伝子
惑星科学:非効率的だった月の集積
量子物理学:単一の核スピンの検出
物性物理学:磁気単極子の動きを検出する
エネルギー科学:プレーナー型ペロブスカイト太陽電池の安定性の向上
生化学:タンパク質–無機ハイブリッド材料
生体力学:足の胼胝が歩行に役立つ理由
細胞生物学:Smoothenedを介するシグナル伝達