Nature ハイライト
細胞生物学:Smoothenedを介するシグナル伝達
Nature 571, 7764
Smoothenedは、クラスFのGタンパク質共役受容体で、発生やがんの生物学的性質に重要なHedgehogシグナル伝達に関わっている。受容体PatchedがSmoothenedを活性化してHedgehogシグナル伝達を引き起こすことは知られているが、PatchedとSmoothenedの相互作用の仕組みは分かっていない。今回2つの研究によって、ステロールがSmoothenedをその膜貫通ドメインを介して活性化することが明らかにされた。A Manglikたちは構造データと機能データを示し、コレステロールがSmoothenedを活性化し、この過程には細胞外のシステインリッチドメインは必要ないと示唆している。一方、X Liたちは24,25-エポキシコレステロールがPatchedの内在性リガンドであることを報告し、クライオ(極低温)電子顕微鏡を使って、Smoothenedが活性化されてGタンパク質シグナル伝達が開始可能となる仕組みを解明している。
2019年7月11日号の Nature ハイライト
神経科学:老化した脳では炎症が幹細胞機能に影響を及ぼす
免疫学:CD8 T細胞疲弊の調節
遺伝子工学:免疫過程に助けられてジャンプする遺伝子
惑星科学:非効率的だった月の集積
量子物理学:単一の核スピンの検出
物性物理学:磁気単極子の動きを検出する
エネルギー科学:プレーナー型ペロブスカイト太陽電池の安定性の向上
生化学:タンパク質–無機ハイブリッド材料
生体力学:足の胼胝が歩行に役立つ理由
細胞生物学:Smoothenedを介するシグナル伝達