Nature ハイライト
量子物理学:単一の核スピンの検出
Nature 571, 7764
核磁気共鳴は先進的な医用撮像技術に使われており、磁場の周りを歳差運動している非常に多数の核スピンから放射される弱い電磁波の検出に基づいている。最近の進歩によって、検出可能な核スピンの必要数は減っているが、単一スピンレベルでは、検出器と量子スピンの相互作用によって、磁気共鳴が変化する。今回C Degenたちは、ダイヤモンド中の電子スピンを使って、単一の核スピンの歳差運動を間欠的に調べることによって、この相互作用を最小化している。こうした周期的な弱測定により、測定で生じるデコヒーレンスと、サンプリングクロックとの周波数同期が減少した。こうした結果は、ナノスケールの核磁気共鳴分光法を用いた、単一分子の三次元構造の原子分解能での直接撮像への重要な一歩である。
2019年7月11日号の Nature ハイライト
神経科学:老化した脳では炎症が幹細胞機能に影響を及ぼす
免疫学:CD8 T細胞疲弊の調節
遺伝子工学:免疫過程に助けられてジャンプする遺伝子
惑星科学:非効率的だった月の集積
量子物理学:単一の核スピンの検出
物性物理学:磁気単極子の動きを検出する
エネルギー科学:プレーナー型ペロブスカイト太陽電池の安定性の向上
生化学:タンパク質–無機ハイブリッド材料
生体力学:足の胼胝が歩行に役立つ理由
細胞生物学:Smoothenedを介するシグナル伝達