Volume 463 Number 7283

Editorials

気候変動による地域規模の影響を確実に予測するのは非常に難しく、透明性と品質管理が不可欠である。

p.849

doi: 10.1038/463849a

GDPを社会発展と経済状況を測る最も重要な指標とする考え方を、見直すべきときが来ている。

p.849

doi: 10.1038/463849b

本誌の論文審査方法、審査基準に関し、根強く信じられている根拠のないうわさ話に反論する。

Nature's choices p.850

doi: 10.1038/463850a

News

米国アラバマ大学で銃乱射事件が起こり、3人の生物学者が犠牲に。

p.856

doi: 10.1038/463856a

アフリカ南部の2つの人種系統のゲノム完全塩基配列が明らかに。

p.857

doi: 10.1038/463857a

がんのゲノミクス研究には、がん細胞株よりも患者から直接得た腫瘍細胞を使うべきだと、論争が。

p.858

doi: 10.1038/463858a

ゲノミクス企業が、より簡便でよりスピーディーでより低コストな解析を掲げ、市場の拡大へ意欲を。

p.859

doi: 10.1038/463859a

英国で起きたクライメートゲート(気候変動問題のメール流出事件)の渦中の研究者が、沈黙を破って釈明を。

p.860

doi: 10.1038/463860a

石炭火力発電によるアジアの大気汚染が、温暖化を遅らせる要因になる可能性が。

p.860

doi: 10.1038/463860b

植物がメタンを放出するのは、土壌細菌の作るメタンの「煙突」の働きをするためであることが明らかに。

p.861

doi: 10.1038/463861a

一般相対性理論の正しさが、原子時計による検証実験で明らかに。

p.862

doi: 10.1038/463862a

News Features

進化:前途有望な怪物の復讐

p.864

1つの変異が大きく作用して進化を促すことは実験で判明しているが、小さな変異もそのお膳立てをすることがわかってきた。

doi: 10.1038/463864a

天文学と天体物理学:10年を語るディナー

p.868

米国の天文学界が10年ごとに行っている、新規プロジェクトの優先順位付けの草案がまとまった。

doi: 10.1038/463868a

炭素捕捉:埋もれた問題

p.871

炭素隔離は気候変動対策の1つになる可能性があるが、現在反対運動に直面している。しかし、それも待ち受ける障害の1つにすぎない。

doi: 10.1038/463871a

News & Views

太古の生命:古代の単細胞生物アクリターク

p.885

30億年以上前の岩から、大型で保存状態もよい微化石が発掘された。この化石からは、我々もその一員である真核生物の系統の過去について、興味をそそる考察が得られる。

doi: 10.1038/463885a

宇宙物理学:宇宙のジェットエンジン

p.886

一部の銀河では、大質量のブラックホールに落ち込む物質が、光速に近い速度で動く細いジェットとして吹き出されている。新たな観測から、宇宙のこのような加速器の活動についての手がかりが得られた。

doi: 10.1038/463886a

遺伝子調節:クロマチン用サーモスタット

p.887

植物は、環境温度が上がってくると、中心的な分子機構に助けを求めて適応しようとする。遺伝子発現を調節しているクロマチンタンパク質のH2A.Zは、そのような「救援」分子の1つである。

doi: 10.1038/463887a

動物行動:小鳥に差す不吉な影

p.888

アトリ科の小鳥であるメキシコマシコの雄には、細菌感染によって弱った同種の雄のそばで採餌する傾向がみられる。つまりこの鳥は、「進化のトラップ」に落ち込んでしまっている可能性がある。

doi: 10.1038/463888a

構造生物学:変形につながる出会い

p.889

SUMO E1活性化酵素の遷移状態をとらえるのは難問だった。今回それが得られ、この酵素がかかわる反応の2つの段階に、大きく異なる結晶構造が対応することが示された。

doi: 10.1038/463889a

量子測定:巧みな方法

p.890

当初は量子力学の基本的な問題を調べるのに使われていた手法が、超精密な測定をするための、強力かつ実用的な手段として有望であることがわかった。

doi: 10.1038/463890a

遺伝学:ランダムな発現で生じる多様な表現型

p.891

線虫胚での腸細胞の産生は、転写因子が作るネットワークによって調節されている。線虫変異体のこのネットワークの研究から、遺伝子発現に確率論的な影響が働いている証拠が得られた。

doi: 10.1038/463891a

Articles

遺伝:がんゲノムの変異および選択における特徴

Signatures of mutation and selection in the cancer genome p.893

doi: 10.1038/nature08768

医学:ヒトがんの体細胞性コピー数変化の全体像

The landscape of somatic copy-number alteration across human cancers p.899

doi: 10.1038/nature08822

構造生物学:SUMO E1でのチオエステル結合形成に伴って起こる活性部位リモデリング

Active site remodelling accompanies thioester bond formation in the SUMO E1 p.906

doi: 10.1038/nature08765

遺伝:遺伝子発現の変動性は不完全浸透度の基盤となる

Variability in gene expression underlies incomplete penetrance p.913

doi: 10.1038/nature08781

Letters

宇宙:ブレーザー 3C 279 にみられるγ線フレアに関連した可視偏光の変化

A change in the optical polarization associated with a γ-ray flare in the blazar 3C 279 p.919

doi: 10.1038/nature08841

宇宙:質量降着する白色矮星がIa型超新星になる割合の上限値

An upper limit on the contribution of accreting white dwarfs to the type Ia supernova rate p.924

doi: 10.1038/nature08685

宇宙:物質波の干渉による重力赤方偏移の精密測定

A precision measurement of the gravitational redshift by the interference of matter waves p.926

doi: 10.1038/nature08776

地球:逆さまの分化と「始原的」下部マントルの生成

Upside-down differentiation and generation of a 'primordial' lower mantle p.930

doi: 10.1038/nature08824

地球:32億年前の浅海珪砕屑性堆積物中の有機物壁をもつ微化石

Organic-walled microfossils in 3.2-billion-year-old shallow-marine siliciclastic deposits p.934

doi: 10.1038/nature08793

動物生理:コウモリの喉頭部を用いた反響定位を示す骨の連結

A bony connection signals laryngeal echolocation in bats p.939

doi: 10.1038/nature08737

遺伝:アフリカ南部のコイサン族とバントゥー族のゲノムの完全解読

Complete Khoisan and Bantu genomes from southern Africa p.943

doi: 10.1038/nature08795

脳:行動学習の開始時における樹状突起棘の迅速な安定化とシナプス増強

Rapid spine stabilization and synaptic enhancement at the onset of behavioural learning p.948

doi: 10.1038/nature08759

発生:Rereはレチノイン酸シグナル伝達と体節の左右相称性を制御する

Rere controls retinoic acid signalling and somite bilateral symmetry p.953

doi: 10.1038/nature08763

発生:CHD7はPBAFと協調して多能性神経堤形成を制御する

CHD7 cooperates with PBAF to control multipotent neural crest formation p.958

doi: 10.1038/nature08733

免疫:in situでのTCR–ペプチド–MHC相互作用は反応速度と親和性の増加を示す

TCR-peptide-MHC interactions in situ show accelerated kinetics and increased affinity p.963

doi: 10.1038/nature08746

細胞:Ca2+チャネルのカルモジュリンとの連動性に対する酵素阻害物質様の調整

Enzyme-inhibitor-like tuning of Ca2+ channel connectivity with calmodulin p.968

doi: 10.1038/nature08766

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