Nature ハイライト 遺伝:さらに進歩するがんゲノミクス 2010年2月18日 Nature 463, 7283 しだいに実体がみえてきたがんゲノムに関して、今回、2つの研究グループが重要なデータセットを追加した。Bignellたちは、公開されている746種のがん細胞株を使って、多数のホモ接合性遺伝子欠失について解析を行った。同じ遺伝子群のヘミ接合性欠失の情報をこのデータと組み合わせたところ、がんに見つかった多くの欠失は、欠失によって選択的増殖優位性を獲得する劣性がん遺伝子ではなく、ゲノム内の脆弱部位に遺伝子が位置していたことを表すことが示唆された。またBeroukhimたちは、ヒト原発性がんの3,000を超える検体について、体細胞性コピー数変化に関する過去最大のデータセットを報告している。多くのコピー数変化は、複数種の腫瘍に共通している。機能研究からは、多くのがんでみられる増幅に関連するアポトーシス遺伝子MCL1およびBCL2L1の、発がんにおける役割が明らかにされている。 2010年2月18日号の Nature ハイライト 遺伝:さらに進歩するがんゲノミクス 遺伝:遺伝子発現に差が出る仕組み 宇宙:宇宙ジェットを生み出す力 宇宙:超新星の前駆天体 宇宙:相対論を確かめる時計 地球:初期の複雑な生命体 脳:上手に歌うための構造変化 発生:神経堤の異常 動物生理:骨からみる反響定位 目次へ戻る