Nature ハイライト 地球:初期の複雑な生命体 2010年2月18日 Nature 463, 7283 始生代初期の頁岩とシルト岩堆積物中で、かなり大きな細胞様の構造が見つかった。このことは、非常に古い時代の地球に、多様な生物が生息し栄えていたことの、さらなる証拠となる。この時代の化石だとする主張に対しては異論が出される場合が多いが、それは、非生物的過程によって、生物様の微細構造や生物の遺骸にみられるものによく似た化学的特徴が生じることがあるからである。そのため、このような微細構造については、非生物起源の可能性を排除するために大きな努力がなされてきた。今回の構造はこうした厳しい検証もクリアしており、約32億年前の地球の初期海洋で、太陽光の届く浅瀬に生息していたことが以前に報告されている微生物マットと共棲していた大型微生物に由来する、有機物の壁をもつ微化石だと考えられる。 2010年2月18日号の Nature ハイライト 遺伝:さらに進歩するがんゲノミクス 遺伝:遺伝子発現に差が出る仕組み 宇宙:宇宙ジェットを生み出す力 宇宙:超新星の前駆天体 宇宙:相対論を確かめる時計 地球:初期の複雑な生命体 脳:上手に歌うための構造変化 発生:神経堤の異常 動物生理:骨からみる反響定位 目次へ戻る