Nature ハイライト 発生:神経堤の異常 2010年2月18日 Nature 463, 7283 「CHARGE症候群」は、頭蓋顔面構造、末梢神経系、耳、目、心臓の異常形成を特徴とするまれな先天性疾患である。この病気は、ATP依存性クロマチンリモデリングタンパク質、CHD7をコードする遺伝子のヘテロ接合変異によって引き起こされる。25年前に、CHARGE症候群は神経堤の発生異常に起因するのだろうという仮説が出された。この仮説は検証されていなかったが、今回Bajpaiたちが、CHD7は多能性の移動性神経堤の形成と、神経堤の転写回路活性化に必須であることを明らかにした。さらに、CHD7はほかのクロマチンリモデリング複合体PBAFと協調して、神経堤の遺伝子発現と細胞移動を促していることも示された。 2010年2月18日号の Nature ハイライト 遺伝:さらに進歩するがんゲノミクス 遺伝:遺伝子発現に差が出る仕組み 宇宙:宇宙ジェットを生み出す力 宇宙:超新星の前駆天体 宇宙:相対論を確かめる時計 地球:初期の複雑な生命体 脳:上手に歌うための構造変化 発生:神経堤の異常 動物生理:骨からみる反響定位 目次へ戻る