Nature ハイライト 宇宙:宇宙ジェットを生み出す力 2010年2月18日 Nature 463, 7283 活動銀河の一部には、その中心にある超大質量ブラックホール近傍での重力エネルギー解放によって発生する、極めて激しい現象を示すものがある。流入するガスと流出するジェットが相互作用している放射領域で何が起こっているのかは、よくわかっていない。そうした極めて激しい天体の1つが、ブレーザー3C 279である。フェルミ宇宙望遠鏡を用いて3C 279を複数の波長域で観測した結果、壮大なγ線フレアと可視偏光角の急激な変化が同時に起きていることが明らかになった。このことは、可視光放射とγ線放射の領域が同じ場所にあり、非常に規則正しいジェット磁場が存在することを示している。今後、このような「宇宙の加速器」を観測していけば、物質をほぼ光速度にまで加速するのに必要な非常に大きな力が、どのようにして発生するのかがわかってくるだろう。 2010年2月18日号の Nature ハイライト 遺伝:さらに進歩するがんゲノミクス 遺伝:遺伝子発現に差が出る仕組み 宇宙:宇宙ジェットを生み出す力 宇宙:超新星の前駆天体 宇宙:相対論を確かめる時計 地球:初期の複雑な生命体 脳:上手に歌うための構造変化 発生:神経堤の異常 動物生理:骨からみる反響定位 目次へ戻る