Nature ハイライト 動物生理:骨からみる反響定位 2010年2月18日 Nature 463, 7283 コウモリは高度に特殊化した哺乳類で、すべて飛翔能力をもち、多くが反響定位によって意思疎通や捕食を行う。原始的な化石コウモリOnychonycteris finneyiは、これまでの研究で、飛ぶことはできたものの反響定位を行う能力はもっていなかったと考えられていた。しかし今回、コウモリ26種をマイクロCTで調べた研究により、喉頭部で生じるクリック音を利用して反響定位を行うコウモリでは、咽喉の茎突舌骨が頭蓋の耳部にある鼓室小骨に連結していることが明らかになった。Onychonycterisにはこの状態が認められ、コウモリの初期進化で飛翔および反響定位が始まった時期およびその起源に関する基本的な疑問が再び提起されることになった。 2010年2月18日号の Nature ハイライト 遺伝:さらに進歩するがんゲノミクス 遺伝:遺伝子発現に差が出る仕組み 宇宙:宇宙ジェットを生み出す力 宇宙:超新星の前駆天体 宇宙:相対論を確かめる時計 地球:初期の複雑な生命体 脳:上手に歌うための構造変化 発生:神経堤の異常 動物生理:骨からみる反響定位 目次へ戻る