Nature ハイライト
海洋保全:サメ類が漁業から避難できる空間は限られている
Nature 572, 7770
外洋性サメ類は最大級の分布域を有する脊椎動物で、毎年、海盆規模の回遊を行う種も複数存在する。D Simsたちは今回、外洋性サメ類1681匹(計23種)の動きに関する衛星データと8万隻を超す漁船の衛星追跡データを用いて、世界の海洋におけるサメの生息域と漁獲努力量との重なりについて評価した。その結果、平均的な月にサメが利用する空間の24%が遠洋延縄漁業(外洋性サメ類を最も多く漁獲している漁法)の操業海域と重なることが明らかになった。保護対象となっている種には、重なりの度合いが最高で64%に達するものもいた。外洋性サメ類などの象徴的な海洋捕食者に見られる現在の減少傾向を逆転させるには、衛星監視に基づく保全対策が極めて重要である可能性がある。
2019年8月22日号の Nature ハイライト
海洋保全:サメ類が漁業から避難できる空間は限られている
発生生物学:形態形成の波に乗る
微生物学:微生物がマウスのALSを調節する
免疫学:多発性硬化症の動物モデルにおける制御性CD8+ T細胞
構造生物学:陽イオン–塩素イオン共輸送体の構造
材料科学:厚い有機エレクトロニクスデバイス
工学:デジタルマイクロ流体工学
ソフトマテリアル:フレキシブルなポンプ
社会科学:富のわずかな不平等が役に立つ理由
分子生物学:ポリユビキチンシグナルの構造をマッピングする方法