Nature ハイライト
エレクトロニクス:カーボンナノチューブのマイクロプロセッサー
Nature 572, 7771
数十年にわたって、エレクトロニクスの進歩はシリコントランジスターのスケーリングによって推進されてきた。しかし、このスケーリングはこれまで以上に困難になっている割には得られる利益が少ないため、シリコンを超える技術を可能にする材料が探索されている。カーボンナノチューブは、そうした候補材料の1つであり、はるかにエネルギー効率の良いデバイスが得られる可能性がある。だが、カーボンナノチューブの特性はばらつきが大きいため、それを用いたエレクトロニクスシステムのサイズと複雑性は著しく制限されている。今回M Shulakerたちは、このばらつきを克服して、1万4000個以上のカーボンナノチューブトランジスターから作られた16ビットマイクロプロセッサーを実証している。このマイクロプロセッサーは業界標準の設計フローとプロセスを使って設計され、組み立てられた。
2019年8月29日号の Nature ハイライト
エレクトロニクス:カーボンナノチューブのマイクロプロセッサー
生化学:ずっと未発見だったミトコンドリアのATP感受性K+チャネルが確認された
代謝:褐色脂肪組織を介した熱産生は分岐鎖アミノ酸の取り込みに依存する
物性物理学:ニッケル酸化物超伝導体
ナノスケール材料:単一分子を通る熱流の測定
ナノスケール材料:最大限のドーピング
進化学:哺乳類では代謝率と体温は進化的には相関していない
再生生物学:プラナリアの分裂を介した再生の制御
微生物学:体の中で作られるプロバイオティクス
関節炎:関節で保護バリアを形成するマクロファージ
分子生物学:CTCFパラログであるBORISのがんでの働き