Nature ハイライト
進化学:哺乳類では代謝率と体温は進化的には相関していない
Nature 572, 7771
一般通念では、体温の上昇は生化学的な反応を加速させると考えられている。これは、代謝率が体サイズの分数乗に比例するという説、そしてそこから派生した、生態学的パターンの多くが体温と体サイズとの関係に関係しているという説の基盤となっている。しかし、体温と代謝率は関連している必要があるとする基本的な前提を疑う者はほとんどいない。今回C Vendittiたちは、系統発生を考慮に入れると、体温と代謝率との間には相関が見られないことを明らかにしている。それどころか、哺乳類が低温環境に定着した際に、自然選択は、予想される熱力学的影響から離れるように基礎代謝率を調節したのである。
2019年8月29日号の Nature ハイライト
エレクトロニクス:カーボンナノチューブのマイクロプロセッサー
生化学:ずっと未発見だったミトコンドリアのATP感受性K+チャネルが確認された
代謝:褐色脂肪組織を介した熱産生は分岐鎖アミノ酸の取り込みに依存する
物性物理学:ニッケル酸化物超伝導体
ナノスケール材料:単一分子を通る熱流の測定
ナノスケール材料:最大限のドーピング
進化学:哺乳類では代謝率と体温は進化的には相関していない
再生生物学:プラナリアの分裂を介した再生の制御
微生物学:体の中で作られるプロバイオティクス
関節炎:関節で保護バリアを形成するマクロファージ
分子生物学:CTCFパラログであるBORISのがんでの働き