Nature ハイライト
分子生物学:CTCFパラログであるBORISのがんでの働き
Nature 572, 7771
DNA結合因子CTCFはDNAループをつなぎ留めて、ゲノムが構造化したドメインを形成するのを助ける。今回R Georgeたちは、CTCFの生殖細胞特異的なパラログで、がんで過剰に発現しているBORIS(brother of the regulator of imprinted sites)について調べた。神経芽細胞腫細胞はALK阻害剤による治療に対して段階的に抵抗性となり、抵抗性を獲得した細胞では転写の再プログラム化が起こってBORISの発現が亢進する。BORISはDNAの新たなループ形成とクロマチン相互作用を促し、これが遺伝子の調節に影響する。そのため、BORIS遺伝子の発現はこのような抵抗性細胞の増殖や表現型変化に重要な役割を果たしている。
2019年8月29日号の Nature ハイライト
エレクトロニクス:カーボンナノチューブのマイクロプロセッサー
生化学:ずっと未発見だったミトコンドリアのATP感受性K+チャネルが確認された
代謝:褐色脂肪組織を介した熱産生は分岐鎖アミノ酸の取り込みに依存する
物性物理学:ニッケル酸化物超伝導体
ナノスケール材料:単一分子を通る熱流の測定
ナノスケール材料:最大限のドーピング
進化学:哺乳類では代謝率と体温は進化的には相関していない
再生生物学:プラナリアの分裂を介した再生の制御
微生物学:体の中で作られるプロバイオティクス
関節炎:関節で保護バリアを形成するマクロファージ
分子生物学:CTCFパラログであるBORISのがんでの働き