Nature ハイライト
胚形成:カスパーゼ-8を介したネクロトーシス細胞死の調節
Nature 574, 7778
アポトーシスやネクロトーシスなどの細胞死過程は、発生や免疫に不可欠な要素である。これらの細胞死経路がどのように働くかを理解することは、自己免疫疾患の治療法を開発する上でとても重要である。カスパーゼ-8のノックアウトマウスは、RIPK3とMLKLに依存的したネクロトーシスが抑制されないため、胎生致死となることが明らかにされている。このように、カスパーゼ-8はネクロトーシス経路に干渉する重要な役割を持っているが、その機構は分かっていない。K Newtonたちは今回、マウスにおいて遺伝学的手法を使って、RIPK1がカスパーゼ-8の必須の基質であり、カスパーゼ-8によるRIPK1の切断が、胚形成期にアポトーシスやネクロトーシスを抑制するために重要であることを示す。この研究は、RIPK1とカスパーゼ-8が誘導する細胞死や、適切な胚形成の維持に関するin vivoでの根本的な機構の理解に大きく貢献する。
2019年10月17日号の Nature ハイライト
健康科学:世界の乳幼児死亡の不均衡
加齢:RESTと神経興奮は寿命に影響を及ぼす
量子物理学:超固体性を探る
大気科学:清浄な領域における大気中の新たな粒子の広範囲の形成
感染症:アフリカのマラリア媒介蚊は風に運ばれて移動する
進化遺伝学:平行進化の経路
神経科学:ニューロン膜電位の単一光子顕微鏡画像化
発生生物学:ヒトの脳発生は他の大型類人猿からどのように分岐したか
胚形成:カスパーゼ-8を介したネクロトーシス細胞死の調節
がんゲノミクス:SF3B1の変異が腫瘍発生を促進する仕組み