Nature ハイライト
大気科学:清浄な領域における大気中の新たな粒子の広範囲の形成
Nature 574, 7778
雲凝結核は、雲の性質、ひいては地球の放射収支に影響を及ぼす可能性がある。新たな粒子は、凝結可能な蒸気から形成され、特に清浄な大気領域において雲凝結核に寄与し得る。しかし、新たな粒子の形成が遠隔領域の雲凝結核にどの程度寄与するかはまだよく分かっていない。今回C Williamsonたちは、太平洋と大西洋の熱帯の対流領域における新たな粒子の形成を、航空機によって大規模に調べた結果を提示している。著者たちは、こうしたデータとモデル解析に基づいて、熱帯の上部対流圏で新たな粒子の形成が広範囲に起こっており、地球表面の約40%を覆っていること、下部対流圏における雲凝結核の重要な供給源が雲の性質に影響を及ぼしている可能性があることを見いだしている。
2019年10月17日号の Nature ハイライト
健康科学:世界の乳幼児死亡の不均衡
加齢:RESTと神経興奮は寿命に影響を及ぼす
量子物理学:超固体性を探る
大気科学:清浄な領域における大気中の新たな粒子の広範囲の形成
感染症:アフリカのマラリア媒介蚊は風に運ばれて移動する
進化遺伝学:平行進化の経路
神経科学:ニューロン膜電位の単一光子顕微鏡画像化
発生生物学:ヒトの脳発生は他の大型類人猿からどのように分岐したか
胚形成:カスパーゼ-8を介したネクロトーシス細胞死の調節
がんゲノミクス:SF3B1の変異が腫瘍発生を促進する仕組み