Nature ハイライト
Cover Story:太陽を見つめる:NASAのパーカー・ソーラー・プローブによる最初の観測結果
Nature 576, 7786
表紙は、太陽を背にしたNASAのパーカー・ソーラー・プローブの想像図である。この探査機は、太陽のコロナと太陽風を調べる7年間のミッションを現在行っている。今週号では、パーカー・ソーラー・プローブのチームが、このミッションの最初の結果を4報の論文で報告し、放出直後の太陽風の起源とダイナミクス、そして高エネルギー粒子の物理に関する新たな知見を明らかにしている。S Baleたちは、太陽の磁場がさまざまな時間スケールで急速かつ大規模に逆転していることを見いだしている。J Kasperたちは、太陽の中心から離れる方向に向かうプラズマの視線速度の局所的な増大が、こうした磁場の逆転に伴っていることが多いことを示唆しており、このプラズマと太陽が部分的に共回転していて、それが太陽中心からの距離が予想されていたよりも遠い領域にまで及んでいる証拠も見いだしている。D McComasたちは、爆発現象で放出されるエネルギーの高いイオンと電子の太陽近傍での測定結果を分析し、恒星近傍での粒子の加速に関する知見を得ている。そして、R Howardたちは、塵によって散乱される光の強度について報告し、仮定されている太陽近傍の塵のない領域が実際に存在している可能性を示すいくつかの予備的証拠などを提示している。
2019年12月12日号の Nature ハイライト
物性物理学:ギャップを飛び越える
ナノスケール材料:ナノスケールの電磁気学
材料科学:湿性煙道ガス中でCO2を捕捉する材料の探索のための金属有機構造体のコンピューターライブラリーのマイニング
進化学:ギガントピテクス属の近縁動物が明らかに
神経科学:脳における行動の諸変数の集団的表現
医学研究:動員された筋膜による深部創傷のパッチ修復
免疫学:抗腫瘍CAR T細胞療法の改善
遺伝学:ヒトの発生におけるクロマチン構造の獲得
微生物学:酸素発生型光合成の出現時期は再検討すべきか
構造生物学:マラリア原虫の薬剤抵抗性機構
構造生物学:T7SSの原子レベルの構造